電子工作を肴に呑む

ここ数年続けている定期的会合がありまして、電子工作を肴に毎度盛り上がっています。こう言った吞み会を楽しく続けるにはいくつか条件がありそうですが、成功例から少しまとめてみます*1

手を動かしている人に限定する

もともとは電子工作で気の合う3人くらいから初めた飲み会ですが、割と無節操に人を呼びました。ただ、最近特に気をつけているのは電子工作を「している」人であることです。単なる業界人の場合、楽しげな昔話で終始することが多いのですが、今、何かを作っている人は、常に最新の、そして妙な動きに敏感で、そう言った話を聴いてくれる人に飢えています。情報の交換がうまく行きます。
電子工作という言葉は趣味を指しますが、世の中には仕事と趣味をごっちゃにしている人もいますので、その点に関しては視点を広く持ち、誘ったほうがいいです。メンバーに幅が出るようです。

ゆるい仕切りはしておく

まったく制限を書けないのも面白いかもしれませんが、あるいは話が発散する可能性もあります。私がやっている飲み会の場合、プロセッサに関してはMMU無しあたりが暗黙の条件になっているようです。

すごい人に声をかける

「これはこの人にはかなわない!」という人に思い切って声をかけましょう。他のメンバーに大きな刺激になります。なにより自分の勉強になります。かなわない点は必ずしも電子工作自体である必要はありません。人によっては、行動力であったり、情報収集力であったり、説明力であったりします。
人集めは、幹事が仕切らないほうがいいと感じます*2。その幹事の友達だけで固まり、会の多様性が制限されるからです。なるべくメンバーに外の人を誘わせましょう。次回呼ぶかどうかも、誘ってきたメンバーに一任するほうがよいです。

異分野を意識する

自分のカバーエリアや、最初のメンバーのカバーエリアを逸脱した人物というのは、衝撃的な効果を会にもたらします。われわれの場合、信号処理、電子楽器といったところから始まったのですが、メカトロ系の方を引きいれたときの爆発的反応は目を見張るモノがありました。目の前に手品のように想像もしなかったガジェットを広げられ、多くの人が想像力を刺激しました。
もちろん、その異分野の方にもお返しとして刺激を与え続けるよう、会の運営を考えなければなりません。これは幹事の役目です。

12人くらい集まると成功感が大きい

昨年、このくらいの人数が集まった時、「ついに手に負えなくなった」と、にんまりしてしまいました。飲み会の最中、3か所くらいで別のディスカッションやデモが同時進行し、入れ替わり立ち替わり人々が移動していました。
こう言うことをするのは店にとっては不良客なので、あまり賑わっていなくて、大騒ぎしなければ歩き回る程度に目くじらを立てない、いい店を見つけておく必要があります。これも幹事の役目です。

新奇性のあることを提供する

定例吞み会のほかに工作会などのイベントを思いつきでやるのもいいでしょう。突発飲み会も、場合によっては喜ばれます。

自分が情報発信をしていないとうまくいかない

ある程度ブログを活発に書き、それなりに成果発信をしつつツイッター等を交えたネット上の交流はしたほうがいいでしょう。どこの誰とも知れないやつの飲み会になど、すごい人が来てくれるわけがないのです。
その意味で、「工作しました。できました」を続けても広がらないと思っています。設計にあたって、何を目指したか、どういう問題にあたって、どう解決したか。といった有用な情報を意識して流しましょう。

会を割る。一人で仕切らない。

これはまだできていません。個人的に「吞み会」として運営できるのは12人が上限だと感じています。それ以上だと、NPO法人並みの組織が必要かもしれません*3。別に会費性にしなくてもいいのですが、全メンバーが一堂に会することはかなわないでしょう。
そんな場合、会を割って、小規模な分科会が活発に開かれるような素地が必要だと考えています。これは、私にはまだできていません。メンバーの中の元気な人が「じゃ、来週2,3人で集まって呑みましょう」と言いだしたら大成功だと思っています。当然、まとめ役にいちいち声をかける必要はありません。私が声をかけている会は、まだそのレベルに達していません。魅力が足りないのか、メンバーが遠慮しているかでしょう。
幹事の立場ではなかなか小規模分科会を限定メンバーで開くのは難しいので、こういうのは若いメンバーが積極的にやるよう水を向けていくべきだと思っています。

*1:成功者の声というのはえてして当てにならないが

*2:私自身はこの点について及第点に達していない

*3:いらないかもしれない