3. もともとUnixはプログラマ向き
LinuxはUnix互換OSですが、下敷きとなったUnixはATTベル研究所の研究者たちが、自分たちの仕事の環境として70年代からスクラッチから書いたものです。彼らはMulticsでの環境が心地よかったことから、Multicsの生産性に単純さを加えてUnixを作り上げました。
Unixはパイプラインといったアーキテクチャ上の利点に加えて比較的自由に配布できたことから、多くの先進的なプログラムが開発されました。また、FSFの活動ベースとなったことから、特にプログラム開発環境として磨きをかけられることになります。
これらを引き継いだLinuxがプログラミングに向いていることに不思議はありません。
第一に、主にFSFで開発されているAWK、GREP、といったフィルタが充実しており、テキストのダイナミックな処理が簡単です。こういったプログラムを使うと、レジスタ定義用のインクルード・ファイルから別のデータを作ったり、リンカのマップ・ファイル出力中の特定の変数の探索といったことが簡単にできるようになります。
そしてなにより、多くのフリー開発ツールがあります。GCCはGNU製ですのでUnix向けに開発されています。WindowsであればCygwinをかませて動かさなければならないところを、ネイティブに動かすことができますので、速度が速く、パス名の混乱もありません。
GCCとの相性がいいに決まっているのです。