コミPo! 使ってみた

無料体験版をChuckさんが使っているのを見て、早速私も使ってみました。

お試し作品


あちこちでLPC4300が話題に上るたびに言われるのが「なぜデュアルコアなのか」。
強力さを全面に押し出して鳴り物入りで登場したCORTEX-M4ですが、DSP屋として見るとまた「これだからマイコン屋は」と思ってしまうほど非力です。信号処理の速度を上げるために本当に必要な事は演算命令の強化ではなく、ノイマンボトルネックとの戦いなのです。
CORTEX-M4では確かに演算が強化されています。浮動小数コプロセッサを前に押し出してきた点は評価できます。しかし、32bit固定小数点のほうは「M3でやっとけよ!」程度のものでしかありません。21世紀になって設計されたプロセッサなのですから、そのくらいはやっておいてほしかった。
古典的なDSPでは積和演算を1サイクル毎に実行できることが最初の至上命題でした。そのために演算とデュアル・ロードの同時実行などと言ったアクロバチックな命令が導入されたのです。DSPの設計者はみんなまじめにノイマンボトルネックと正面から取り組んでいます。
でもCORTEX-M4にはそんな気概が感じられないんですよね。なんだか、演算命令だけ追加して、あとはARM社のブランドで押せばいいや、という態度が透けて見えます。大昔のSH DSPだってもっとまじめに取り組んでいました。
LPC4300は、その「やる気のないDSPCORTEX-M4DSPとして使うためのNXPの回答でしょう。DSPとして非力なCORTEX-M4を信号処理に専念させ、ファイルシステムやネットワーク制御といった雑務を全部CORTEX-M0に押しつけるわけです。なんだか、「それ何てOMAP?」と言いたくなる戦略ではあります。というか、CORTEX-M3 + C2800でOMAPを大々的に売ってればTIは大もうけできてたんじゃないか、と誰も思わないところがDSP屋としては悲しいかな。あと、ADSP-2190シリーズを打ち切ったADI……。
ま、古典的なDSP96000の半分くらいの速度は出せそうですから、モーターコントロールのような瞬発力の必要とされる分野はともかく、単純なオーディオ信号処理ならLPC4300で遊べそうです。何のかんのいって、もっとも気軽に使える浮動小数点プロセッサになることは間違いないですから、否が応でも期待します。
一般の人が手にすることができるようになるのは来年半ばのようですから、首を長くして待つことにします。

感想

コミPo!
確かに漫画を書くという膨大な作業は簡単化されますが、正直これでプレゼンをするのはつらそうです。一方で、かつてインターフェース誌に連載されていた「フジワラヒロタツの現場検証」のように、漫画でつかんで話を広げる、と言うやり方は有りな気がします。ブログに入れる場合にはフォーマットの工夫が必要ではありますが、新しいやり方ですね。