「入り」の反対が「フリー」だと言われても、何となく納得できない


ROHS指令が実行に移される前に一番心配していたのは、「実験室で使うハンダはどうなるんだろう」という一点でした。
世間は鉛フリーハンダについて濡れ性が低いだのなんだのと大騒ぎしており、ようやく量産に供されるようになったと思ったら、ハンダ槽に穴が開いて恒温のハンダが漏れ出すなどと言う恐ろしい事故が報道されていました。しかし、サポート屋だった私には量産の難しさなど頭になくひたすら自分の手ではんだ付けするときにはどうなるのだろうというその点だけが心配でした。
実際個人で大量の鉛入りハンダを買い込んで将来に備えている人もいました。
結局、ROHS指令が実行に移された後も少量使用を目的とした鉛入りハンダは売られており、簡単に手に入ります。幸いなことに心配は杞憂に終わったのですが、もしなまりいりハンダが手に入らない世の中になっていたら、早々にハードウェアから手を引いていたのだろうなと考えることがあります。